牛肉と豚肉をコンベクションオーブンで低温調理
はじめに
巷で低温調理というものが流行っているようです。60℃くらいの低温で調理すると肉のタンパク質がうまいこと変性してうまくなるらしいです。すごいですね。
最近よく水流制御クッカー なる器具を用いて低温調理したといった記事をよく見かけますが、生憎と私はこの器具を所有していません。しかし60℃くらいの温度で加熱できるコンベクションオーブンを持っていました。
ということでこの記事ではコンベクションオーブンを用いた低温調理の準備・方法・結果についてご報告したいと思います。平たく言うと、上手にできた料理の自慢を兼ねた飯テロ記事です。ぜひお腹を空かせて御覧ください。飯テロだけ御覧になりたい方は、結果だけを見ましょう。
コンベクションオーブンオーブンを用いた低温調理
準備
準備物リスト
以下の食材と調理器具を準備します。
食材
調理器具
- コンベクションオーブン
- 肉中心温度を計測する用の温度計
- オーブン庫内温度を計測する用の温度計
- 鉄フライパン
- アルミホイル
準備物についての補足
牛もも肉と豚ヒレ肉について
今回は牛もも肉と豚ヒレ肉をまとめて調理しましたが、別々に調理しても構いません。この2つの肉を区別する必要はありませんので、本記事ではまとめて肉と表記していることが多いです。尚今回は377gの牛モモ肉と436gの豚ヒレ肉を用いました。
塩について
塩の最適な分量はよくわからないので各自調べて下さい。私はいつも目分量でやっています。ちなみにクレイジーソルトを使っています。ところでクレイジーソルトと粉チーズを手羽先にぶちまけ、アルミホイルに乗せてオーブンやオーブントースターで適当に焼くと旨いのでよいですね。
スパイスについて
肉の旨味を最大限に味わうためにスパイスは不要であるというご意見もありますが、私はスパイスをぶち込むのが好きなのでぶち込みます。特にナツメグは、ハンバーグステーキ屋さんで食べるハンバーグやステーキの風味がして好きです。人間の味覚は人それぞれ異なりますので、一つの料理を極める際には「いかに自分の好みに近づけるか」が大事になると思います。自分の好みを把握しましょう。
コンベクションオーブンについて
こちらの製品を使用。先はAmazonリンクですが、を貼っていますが、私が購入したときは楽天の方が安かったです。 コンベクションオーブンとは、オーブン庫内に熱風を循環させて食材を均一に加熱することができるオーブンのことです。
私が持っているコンベクションオーブンはタイマーが最長1時間しかありません。今回の調理法ではオーブンでの加熱に4~5時間くらいかかるため、オーブンの温度を設定したらほったらかしというわけには行かず、1時間に1回はタイマーをセットし直す必要がありました。
温度計について
肉中心用はこちら、オーブン庫内用はこちらの製品を使用。コンベクションオーブンの温度設定がアナログダイヤルで、オーブンの設定温度を正確に判別することができないために温度計を2つ用いました。コンベクションオーブンにも色々ですが、温度をデジタルで正確に設定できるオーブンであれば、オーブン庫内温度計測用の温度計は不要だと思います。
鉄フライパンについて
肉が入る大きさであれば、鉄じゃなくてもいいと思います。肉の表面にメイラード反応を起こすために用います。メイラード反応についてもしご存知でなければググるとよいでしょう。鉄フライパンで焼くのではなく、バーナーで炙っても良いかもしれません。メイラード反応の効果をあまり実感できないという方は、鉄フライパンの準備と方法の5を省略しましょう。
アルミホイルについて
以下の効果を狙い、肉をアルミホイルに包んで焼きます
- ヒーターからの放射熱を遮り、肉を対流だけで均一に焼く
- 肉表面の乾燥を防ぐ
方法
調理要領
下記の要領で調理します。要領は各ご家庭の調理器具や食材や状況や気持ちに応じ、適宜変更しましょう。
肉を冷蔵庫から出します。
オーブン庫内温度計測用温度計をセットします。オーブンの扉に挟むような感じです。
*1オーブンを60度で予熱し始めます。
肉に塩とスパイスをぶちまけて刷り込みます。
鉄フライパンを加熱して油を敷き、肉の表面を焼いてメイラード反応を起こさせます。下の画像は表面を焼かれた肉です。*2
肉をアルミホイルで包みます
肉の火が通りにくそうな場所をめがけて、肉中心温度計測用温度計を刺します。肉が2塊以上ある場合は、大きい方に刺します。
オーブンの温度が60℃近辺で安定していることを確認したのち、肉をオーブンに入れます。
肉の中心温度が満足のいく温度になるまで加熱します。63℃が安全です。お腹を壊したり寄生虫に苛まれる覚悟があるならば、もっと低い温度にしても構いません。調理時間は肉の量やオーブン投入前の肉の温度によります(参考までに、377gの牛モモ肉と436gの豚ヒレ肉を同時に11℃から59℃まで加熱した場合は4時間半ほどかかりました)。
肉が冷めるまで、一晩くらい放置します。待ちきれなければ食べます。
調理要領についての補足
加熱温度について
120℃くらいで熱し、中心温度が60℃少し手前になったらオーブンから出し、予熱で火を通すといった手法があります。そのようにした方が調理時間は短くすみます。しかし私はこの方法で、肉の中心温度をうっかり65℃くらいなるまで熱してしまうというミスを何度かやらかしました。65℃まで加熱してしまうともう、それは私が望んでいた肉ではありません。この失敗を避けるために、今回はオーブンの温度を60℃としています。温度の制御に自身のある方、65℃の肉が好きだという方、調理に4~5時間もかけられないという方は、適当な高温で加熱したらよいでしょう。
結果
肉の断面です。赤いほうが牛、ピンクの方が豚です。肉汁は赤いです。
適当にスライスして適当なタレをかけたものです。噛み締めるとなんだか目の前がチカチカしました。脳内麻薬が出ている気がします。ブラシーボ効果です。
同じくコンベクションオーブンで焼いたパンに、肉を挟んでみました。レタスがあればより良くなったと思います。
こちらはいっそ官能的な美しさすら感じるローストビーフ&ポーク丼です。アルミホイル内に溜まっていた肉汁作ったソースっぽいものをかけて食しました。美味です。
ローストポークには北海道で買った豚丼のタレをかけて食べても美味でした。
おわりに
上記の結果から、60℃程度の温度設定ができるコンベクションオーブンを用いて低温調理ができるということがわかりました。しかし水流制御クッカーを使った場合に比べて調理時間が長くなるのかや、肉の味に変わりはないのかなどの疑問は残ります。どうにかして比較してみたいですね。*3
(2017/01/03追加) 飯テロ画像を少し増やしました。